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【マンガの話】「かわぐちワールド」に住む、豪胆政治家

先日、『空母いぶき』に関する記事を書かせて頂きました。

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『空母いぶき』は、有名漫画家「かわぐちかいじ」氏の描くフィクション作品です。

かわぐち氏が得意な「リアル軍事モノ」であり、読み応え抜群の名作。

現在、第一部が終了し、第二部の連載に突入しています。

 

『空母いぶき』の第一部で描くテーマは、尖閣諸島にて、日本の自衛隊中国人民解放軍が戦ったらどうなるか」を、ガチで描くというもの。

本当にキナ臭い地域を舞台した作風は、フィクション作品とは思えない緊張感を醸し出しています。

 

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『空母いぶき』に登場する兵器や組織は、実際に存在するものとほぼ同じ。「超科学で製造した巨大ロボ」みたいな突拍子もない兵器は出て来ません。

そういうこだわりが、リアルさを増す要素になっています。

 

しかし、「ちょっとリアルさに欠けるかな?」と思しき点があります。

それは「政治家の姿勢」です。

 

かわぐち氏は、『空母いぶき』の他にも『沈黙の艦隊』『ジパング』『太陽の黙示録』等々、リアル路線の作品を数多く執筆されてきました。

それらに登場する政治家の多くは、「肝の据わった、気骨のある偉人」として描かれています。

沈黙の艦隊(1) (モーニングコミックス)(提供:Amazon)

(著:かわぐちかいじ講談社)

 

かわぐち氏が描く「リアル路線の軍事モノ作品」は、戦場でドンパチやるシーンばかりではありません。実際の戦闘以上に、論戦や交渉シーンを描くことが多い。

戦いに至るまでの外交交渉、停戦を模索する大使の苦悩、国連安全保障理事会での論戦、各国の首脳が通訳なしでガチ議論する様子…。

実弾の撃ち合いとは別方向の、緊張感のある戦いが繰り広げられます。

 

中でも、沈黙の艦隊の交渉シーンは熱い。

沈黙の艦隊』が連載開始したのは、今から30年以上前。当時は「ソビエト連邦」がまだ存在していました。米ソ冷戦の末期です。

米ソ冷戦といえば、核戦争の一歩手前まで緊張が高まった「キューバ危機」という事件が有名です。今以上に「交渉で何とかしないと、全面核戦争が勃発し、人類滅亡もあり得る」という雰囲気がありました。

そんな時代背景の中、リアル路線を貫いた『沈黙の艦隊』。交渉シーンに熱が入るのは当然ですね。

 

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沈黙の艦隊』では、衆議院解散総選挙戦まで描いていました。

 

この作品では、「日本初の原子力潜水艦(核攻撃能力アリ)が、指揮系統を離脱して脱走艦となり、世界が混乱する」という展開を軸に、物語が進みます。

問題の責任を明確にし、今後の日本が進むべき道を選択する重要な解散総選挙。その話にコミックス1~2冊分を軽く使う。これが『沈黙の艦隊』の特徴であり、かわぐち作品の醍醐味といえます。

 

国会での演説とか、党首討論のシーンも多い。「軍事モノ」という単ジャンルではなく、「政治&軍事モノ」と表現する方がいい作風。メチャクチャ濃厚な話です。

 

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かわぐち作品に登場する、骨太で豪胆な政治家たち。

しかし、今の実際の姿は…「気骨のある政治家」と評価を受ける先生が、何人いらっしゃるのやら。

 

リアル路線を追求する、かわぐち作品群。

その中で最大のフィクション要素は、「覚悟を持った政治家の存在」なのかもしれません。

 

 

-----------------(記事了)-----------------

 

 

沈黙の艦隊

沈黙の艦隊

  • メディア: Prime Video