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【過払い金返還の話】バブルが崩壊すれば、システムも被弾する

テレビ・ラジオ・ネット等のCMで、やたら出てくる広告の中に「過払い金の返還」に関するものがあります。読者様も、一度くらいは見聞きしたことがあるのでは?

 

「過払い金の返還」とは、「消費者金融などの金貸しに対し、払い過ぎた利息を返還してもらう」という制度のことです。

 

借金には利息がつきものですが、この利息も無制限ではありません。「法律の範囲内で」という但し書きが付きます。

しかし、この文言には穴がありました。それは「法律によって許される利息が違う」という抜け穴。この点に着目した金貸しサイドは、「いかに高い利息を設定し、客からむしり取るか」ばかりを考え、ずる賢く法律を選び、高い利息を取ってきました。

ところが、後に
「その法律の使い方は駄目」
「金貸し側は、不当な利息をむしり取っている」
「金貸しは、過去にボッタくった利息(過払い金)を、客に返しなさい」
という判断が裁判所から出ました。それを受け、全国各地で「過払い金の返還」に関する案件が多発。

 

この請求は、弁護士などの法律家を通した方が、スムーズに処理できます。その分の手数料はかかりますが。

その為、法律家に頼る方が増え、手数料が発生しまくり、法律家が挙って市場に参加。「過払い金バブル」と呼ばれるまでになりました。

 

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ただ、バブルはいつか弾けて消えるものです。いつまでも持続しません。

その象徴となる事件が、つい先日報じられました。

その内容は、「過払い金案件を多く手がけた法律事務所が、巨大な負債を抱えて倒産」というものです。

www3.nhk.or.jp(2020/6/24)

 

過払い金の返還請求などの訴訟を手がけ、積極的なテレビCMを展開していた、東京の弁護士法人「東京ミネルヴァ法律事務所」が24日、裁判所から破産手続きの開始決定を受けました。

弁護士法人が所属する第一東京弁護士会が、会費が支払われていないことを理由に破産を申し立てたもので、弁護士会は臨時の相談窓口を設けています。

 

破産手続きの開始決定を受けたのは、東京 新橋に事務所がある弁護士法人「東京ミネルヴァ法律事務所」です。

弁護士法人が所属する第一東京弁護士会によりますと、弁護士法人からの会費の支払いが滞り、連絡がとれなくなったことから、財産を保全するために24日、東京地方裁判所に破産を申し立てたということです。

負債総額はおよそ50億円になるとみられます

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200624/k10012482861000.htmlより。改行・強調等は筆者によるもの。以下同)

 

問題の業者は、弁護士法人の「東京ミネルヴァ法律事務所」です。全国各地にCMを展開し、多数の顧客を持っていたとのこと。

筆者は関西人ですが、関西ではあまり見ない業者ですね。名前からして、関東近辺に強い業者だったと考えられます。

 

負債額は、およそ50億円。桁が違いますね。

こういうものは、「調査が進むにつれて額が増える」という話になりがち。どこまで膨れ上がるのやら…。

 

ここまで切羽詰まった状況になったのには、いくつか理由があると思われます。

ただ、簡単に言えば「収入が少ないのに、身の丈に合わない多額の宣伝費用をかけてしまったから」の一言で済む話。

法律の素養はあっても、経営はダメだったという典型例でしょう。

 

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上記の様に考えると、よくある経営失敗談として片づけられる話です。

しかし、下記「ダイヤモンド・オンライン」の記事を読むと、どうも違う。単なる経営失敗談ではなさそう。

巨悪が描いた図面通りに、事が運んでいた様子が見え隠れします。

diamond.jp(2020/6/26)

30億円の流用で被害者は2万人か

 

6月24日、負債51億円余りで破産決定を受け、弁護士法人では過去最大の倒産となった(弁)東京ミネルヴァ法律事務所〔東京都港区、代表弁護士川島浩、2019年3月期売上高17億8400万円〕。

 

消費者金融を利用したことがある人に、過払い金利の返還が受けられるとの広告を大量に流していたことで知られるが、破産の背景には、依頼者に支払われるべき過払い金、少なくとも30億円が弁護士法人を実質的に支配する広告会社により流用されてきたという、弁護士にあるまじき不祥事があることが分かった。

ミネルヴァを支配していた、今回の破産劇の黒幕ともいえる広告会社とは(株)リーガルビジョン〔渋谷区、代表霜田広幸、19年3月期(4カ月間の変則決算)売上高8億8100万円〕である。

 

兵庫県出身で、消費者金融大手の武富士で札幌支店長までつとめた兒嶋勝氏が04年4月に設立した(株)DSC〔渋谷区〕がリーガルビジョンの前身。

 

士業の広告解禁を受けて創業した、士業専門の広告代理店だ。

https://diamond.jp/articles/-/241503

 

過払い金返還請求で得た金を、依頼者に返すのではなく、自社の運転資金に充てた。

そのノウハウを考えて、弁護士法人を半ば脅す形で動かしていたのは、あの(悪い意味で)有名な大手消費者金融武富士」の支店長経験者だった。

問題の元凶であるサラ金の関係者が、顧客から高い利息をムシった後に、何食わぬ顔で返還金まで横領した。

「下手なサスペンスものよりも、よっぽど凝った裏側があった」と、上記ダイヤモンド記事が伝えています。

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今回の騒動を起こした「東京ミネルヴァ法律事務所」については、調査のメスが入ったばかり。今後、色々な話が出てくると思われます。

 

その中に、上記「ダイヤモンド・オンライン」の記事で述べられた事実が存在するのであれば、もう末期もいいところです。過払い金問題の元凶が、弁護士を操って横領を働かせたのですから。

問題の詳細はこれからとはいえ、業界を揺るがす大事件なのは間違いない。

 

やはり、金は借りるものではなく、稼ぐものです。

安易な借金は、闇を生む。

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

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