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【自動車免許の話】「厳しい指導」は、もう時代遅れなのか…?

自動車運転免許。

社会人としてやっていくには、必須の資格。多くの方は学生時代に取得するであろう、超メジャー資格です。

生徒さんの大半は、近所の自動車学校・教習所に通うか、「免許合宿」という形で短期集中型の取得を目指すか、このどちらかでしょう。一発取得を目指して、直接テストに臨む方は少数派です。

通学・合宿で悩ましいのは授業料。免許取得まで、数十万円程度はかかります。加えて、教官が優しい方ばかりではない為、ストレスが溜まることも。

それでも、何とか耐えて免許を取らないといけない。我慢が大事。

 

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…というのは、最早「ひと昔前の話」になりつつあります。

何故ならば、「運転免許を取ろうと思う人が、昔に比べて減っているから」です。

 

その理由は何か?

そもそも「少子高齢化で人が減っている」という点も大きいですが、他にも難点は多い。

取得までの高額費用。
教官とのヤリトリで溜まるストレス。
無事免許を取得しても、車の取得費用と維持費がキツイ。

マイナス面の割合が、徐々に増えてきました。

 

加えて、「交通機関が発達している地域に、人口が集中している」という点と、「通販システムの発達やネットの普及で、ヒキコモリ生活でも不自由しない」という点が目立つ様になっています。

自ら車を運転しなくとも、不自由しない方が増えているのです。これでは、免許取得熱が冷めるのも当然かと。

 

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この事態に頭を悩ませているのは、自動車学校・教習所の方々です。
先述の様な理由で、生徒が減少。それ即ち、収益の減少。関係者にとっては死活問題です。

この状況を打破する為には、何とか生徒を増やさなければならない。
しかし、世間の状況を見ると、簡単に増えそうにない。
そうなると、別のアピールポイントで生徒を呼び寄せて集めるしかない。

つまり、「自動車学校業界の生存競争が激しくなっている」ということになります。

 

その競争に負けない為に、業界では様々な方策を考案・実施していますが…。

先日、とある自動車学校が行う取り組みについて特集した、新聞記事を見つけました。

そこで紹介されていた方法は、厳しい指導とは正反対の「褒めちぎる」というもの。

www.yomiuri.co.jp(2020/6/21)

 

地方支局でニュースを追う記者にとって、移動手段の乗用車は欠かせませんが、三重県の津支局へ5月に赴任した新人の西沢由華記者(22)はペーパードライバー。マイカーで出動する日を前に、運転技術を確認することにしました。その名も「ほめちぎる教習所」で。

 インターネットで探し、目に留まったのが三重県伊勢市の南部自動車学校でした。ほめて生徒の意欲を引き出す指導法で知られているそうです。「ペーパードライバー」向けもあるそうで、講習(50分)2回分をお願いしました。

指導していただいたのは、教官歴20年の八田宜彦さん(42)です。

まずは構内のコースを走ります。

最初の難関・S字カーブで「ガクン」。いきなり左後輪を脱輪させてしまいました。恐る恐る助手席の八田さんの表情をのぞくと、うなずき、「ブレーキ踏めたね!」。

ミスを注意するのではなく、すぐ止まったことを評価してくれたのです。

  八田さんはドアを開け、「左側へ寄りすぎたね」と原因を教えてくれました。道路幅を意識して運転し、無事にカーブを抜けると、「よくできた」とほめてくれました。

4年前に通った教習所は、時に厳しい口調で指導されましたが、今回は萎縮せずに運転できた気がします。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20200621-OYT1T50131/より。改行・強調等は筆者。以下同)

筆者も普通免許保持者ですが…。

かつて自動車学校に通っていた時、上記記事の様な指導を受けたことは一度もありませんでした。褒められるどころか、「ちょっとそれは言い過ぎでしょ?」と思う時もしばしばあるくらい、殺伐とした雰囲気。

いや、筆者はまだ軽い方だったのかも知れません。他の方の体験談を聞くと、「殴り合いが起きてもおかしくない」というレベルの事態もあった様子。半端ないストレスが溜まりそうです。

 

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まぁ、車の運転は命がけ。指導する側としてピリピリし易いのは分かります。下手なままで卒業させるのはNGですから。

 

ただ、厳しい指導というものは、「正しいかもしれないが、上手ではない」という時代になってきました。

同じ技術を取得するのであれば、ストレスが溜まらない学校が選ばれる。至極当然の市場原理です。「世の中の理屈がおかしい」という考えだけで通す自動車学校は、遠からず潰れます。世相に合わせた変革が必要。

 

ただ、いくらストレスが溜まらないといっても、「卒業生が事故を起こしまくる」という結果では本末転倒。自動車学校の目的は、安全運転重視のドライバーを要請することですから。

その点に関してはどうなのか?

当初は「優しく教えて事故が増えないか」との声も出ましたが、卒業後1年以内の事故率(普通車)は2012年の1・76%から18年は0・43%に減少。

入校者は年々増え、職場の雰囲気も明るくなったそうです。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20200621-OYT1T50131/

 

褒めちぎる指導にシフトチェンジしたら、事故率が下がったとのこと。加えて、自動車学校の雰囲気も良くなったとのこと。この変化は、大正解だったと言えますね。

この結果を出されたら、かつての「厳しい指導が正解」というのは・単なる思い込みだった…とされてしまいますね。

 

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ちなみに、上記記事に出てきた「三重県伊勢市の南部自動車学校」の名物社長さん「加藤光一」氏は、本を出していらっしゃいます。

「ほめちぎる教習所」のやる気の育て方(提供:Amazon)

 

本の内容は、普段実践されている「褒めちぎる指導方法」に関するもの。

この方法は、運転技術の指導だけではなく、様々な場面に応用できる技術です。

例えば、「職場で新人に仕事を教える場面」や「学習塾で生徒に勉強を教える場面」等々、使えそうなシチュエーションは数多く存在します。

 

この本は、「厳しい指導が、必ずしも正解ではない」ということを、現実世界で示した方が書いた本です。説得力があります。一読の価値アリ。

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

「ほめちぎる教習所」のやる気の育て方

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