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【映画の話】”彼ら”とは、何か?

本日は、とある「濃い映画」をご紹介します。

映画のタイトルは、ゼイリブです。

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ゼイリブ』は、1988年のアメリカ映画。

ジャンルは、SF要素のあるサスペンス…といったところです。

 

ゼイリブ』の監督は、鬼才「ジョン・カーペンター」氏。

この方、超有名ホラー映画『ハロウィン』シリーズの生みの親です。

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なお、『ゼイリブ』は『ハロウィン』に比べて、ホラー要素はかなり低め。

その代わりといっては何ですが、「社会風刺」の色合いが非常に強い作品となっています。

 

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ゼイリブ』の冒頭をザックリ述べると、以下の様なものになります。

 

 

▼物語の舞台は、映画公開時(1988年)のアメリカを基礎とした世界。

 

▼主人公は、「ネイダ」という名の中年男性。身の回りのものをリュックに詰め、各地の工事現場などを流れて生きる、肉体労働者である。

▼ある日のこと。職にあぶれたネイダは、職業紹介所の門を叩いた。

▼今は不景気の真っただ中。業績悪化を理由に、下の者は首を切られるが、上の者は昇給する…という歪んだ世の中である。格差は増し、失業者があふれるばかり。職業紹介所は混雑していた。

 

▼ネイダは、紹介所では職を見つけられず、自分で工事現場へ売り込みをかける。と、幸運にも働き口が見つかった。しかし、寮や宿泊所までは手配してくれない。

▼宿無しのネイダを見かねたのであろう。工事現場で働く同僚が、貧困層の集まるキャンプを紹介してくれた。ネイダは、そこに身を寄せることになった。

 

▼その日の夜。ネイダ達は、キャンプに設置されたテレビを見ていた。すると、電波が突然乱れ、見ていた番組とは違う内容が流れ出した。ハッキング(電波ジャック)が起きたのである。

▼荒い画面に映し出されたのは、髭を生やした年配の男が喋る様子であった。その男は言う。
「我々は、考える力を奪われ、半ば眠らされている」
「この世界は、一部の者が作り出したまやかしに満ちている」
「人権は奪われ、他人に無関心になるように仕向けられている」
「生き残る道は、”彼ら”の正体を暴くことだ。それしかない」

▼しばらくすると、テレビから男の姿は消え、元の番組が流れ出した。「あれは何だったんだろう?」と不審に思うネイダ。

 

▼後日、テレビにはまた「髭の男」が割り込み、似た様な演説をする姿が映し出された。髭の男は言う。
「我々は、”彼ら”の奴隷であり、家畜だ」
「”彼ら”の放つシグナルが強く、妨害できない」
「何とかして、シグナルの源を断たねばならない」

▼と、テレビを見ていたキャンプの住人が、急にそわそわして近くの教会へ駆け込んだ。不審に思うネイダ。彼は、教会の中に入ってみることにした。

▼教会に入り込んだネイダは、おかしなことに気付く。教会内から歌声が聞こえていたのだが、それは録音された音声をスピーカーで流していただけであった。聖歌隊は誰もいない。

▼よくよく様子を窺えば、どうやら教会の奥で、大勢の人が議論している。更に怪しむネイダであったが、神父に見つかり、慌てて立ち去った。

 

▼その後も、教会の様子が気になるネイダは、教会を観察していた。

▼そんなある日の夜。突然、教会に多数の警官が突入。大騒ぎになる。

▼警官隊は、ネイダ達のキャンプにも襲い掛かった。銃やブルドーザーを使ってキャンプを破壊する警官隊。なぜ自分たちが制圧されるのか、その理由も全く分からないまま逃げ惑うキャンプの住民達。混乱の中、ネイダは何とか警官の目を盗んで隠れ、一夜を明かした。

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▼翌日。キャンプがあった場所は更地にされていた。家も家具も無くなったネイダは茫然とする。

▼ネイダは、騒動の発端となった教会に入ってみた。建物は残っていたが、中は荒れ放題。恐らく、警官隊が暴れたのであろう。人の気配もなかった。

▼ネイダには、気になることがあった。以前、教会に入った時、隠し倉庫らしきものを見つけていたのだ。人気のない今なら、詳しく調べることができるだろう。

▼隠し倉庫は、そのままの状態で残っていた。倉庫の中には、ダンボールの山が。ネイダは、ダンボール箱をひとつ持ち出した。

 

▼教会を離れ、人気のない所まで来たネイダ。箱を開けると、中には大量のサングラスが入っていた。「何だこりゃ?」と驚くネイダ。

▼そのサングラスは、どこにでもありそうな普通のサングラスである。期待外れの中身に肩を落とすネイダ。サングラスをひとつだけ拝借し、その場を離れる。

 

▼ブラブラ歩きながら、サングラスをかけてみたネイダであったが…彼は、強烈な違和感を感じた。サングラスを通して見た景色が、普通ではなかったのだ。どこかザラついたモノクロ映画を見ている様な、何とも異質な感じ。

▼驚いて、キョロキョロ周囲を眺めるネイダ。すると、更におかしなことに気付く。町中にある広告が、広告ではなくなっていたのだ。

▼裸眼で見れば、鮮やかな商品宣伝の広告。しかし、サングラスを通して見たものは、商品広告ではなく「OBEY(従え)」という文字であった。

 

▼サングラスをかけたまま、他の看板を見てみるネイダ。すると、どれもこれもが先ほど見た「OBEY」と同じ。裸眼で見れば広告だが、サングラスを通せば命令形の言葉が書かれている。

▼その文言は、「結婚して、出産しろ」「考えるな」「消費しろ」「テレビを見ろ」「寝ていろ」「買え」

▼町中の看板は、全て同じ。ポスターも同じ。立ち読みした雑誌の全ページも同じ。サングラスを通して見る世界は、命令形の言葉で溢れていた。「何だこれは…?」ただただ唖然とするネイダ。

 

▼そんなネイダの前に、ひとりの中年男性が。彼はネイダの様子を見て、心配そうに声をかける。「どうしたんだ?具合でも悪いのか?」

▼その男性を見たネイダは、看板を見た時の比ではないショックを受ける。
目の前にいる男性は、裸眼で見れば普通の人間。だが、サングラスを通して見れば、皮をひん剥いたガイコツの様な怪物だったのである。絶対に人間ではない。

▼そのガイコツは、固まったまま動かないネイダを見て「話しかけても返事しない。おかしなヤツだな」と思ったのであろう。特に何もすることはなく、その場を立ち去った。

 

▼サングラスを通して見た光景に、未だ半信半疑のネイダ。そのまま大通りを歩くと、先ほどのガイコツと同じ格好の怪物が、町のアチコチにいた。

▼サングラスを取ると、普通の人間。サングラスを通して見ると、異形の怪物。この光景は、サングラスをかけた自分には見えても、他の人には見えないらしい。ネイダ以外の人間は、怪物に動じる様子がない。

 

▼ネイダは、ガイコツに気付かない人に向かって「お前ら、周りに化け物が混じっているのに、気付かないのか?」と叫ぶ。

▼これに対し、周囲の人間は「何言ってんだ?コイツ」と冷たい反応。しかし、ガイコツは「この男、我々の正体を見破ったな」と危険視。ネイダは、ガイコツから追われる身となってしまった。

 

なぜ人々は気付かないのか?
あのガイコツは何なのか?
ネイダが使ったサングラスは、誰がどうやって作ったのか?

…様々な謎を抱えたまま、多数のガイコツに追われるネイダ。果たして、彼はどうなってしまうのだろうか?

 

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ゼイリブ』は、英語表記だと「They Live」です。

直訳すれば、「彼らは生きています」「彼らは住んでいます」という意味になります。映画の題名っぽく意訳すれば、「奴らは、いる」ですかね。

この「They」とは、上記の「ガイコツの様な化け物」を指しています。

 

しかし、『ゼイリブ』の隠れたテーマは、「ガイコツに象徴されるもの」です。

マスコミ、政治、経済、法律…。世の中を縛り・動かす要素は数あれど、どれも一皮むけば「異様な怪物」である。
綺麗ごとで覆い隠されているが、正体は「醜い化け物」である。

監督のジョン・カーペンター氏は、こういう想いを込めて、撮影に臨んだのではないか…と。

 

このテーマは、2020年現在でも全く変わらずに存在する、「世界の暗黒面」です。

格差社会はますます酷くなり、閉塞感は増す一方。

このダークサイドを相手に、主人公のネイダがどう立ち向かっていくのか?

そこが『ゼイリブ』の見どころです。

興味のある方は、この機会に是非ご覧ください。

 

 

-----------------(記事了)-----------------

 

 

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