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【テレビとネットの話】「奢れる者」の歴史は、ただただ繰り返す

本日は、テレビに関する話をば。

 

 

この世に初めて白黒テレビが出現した時、他業種の方から笑われたそうです。「こんなものが、商売になるか!」と。

笑ったのは、ラジオ局のお偉いさんだったとか。当時の花形メディアはラジオだった為、そのお偉いさんにはプライドがあったのでしょう。そのプライドが、こういう発言を導き出したと思われます。

 

 

それから時は流れ…テレビとラジオの立場は、完全に逆転しました。

「テレビを笑ったお偉いさん」は、自分の予想が外れて顔を真っ赤にしたのか、それともラジオの業績が下がって真っ青になったのか…。

どちらにしろ、そのお偉いさんは「分析力と想像力」に欠けていたと言わざるを得ません。

 

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テレビとラジオの立場が入れ替わった後。西暦1999年頃のこと。

この時、とあるテレビのニュース番組で、キャスターがこんな発言を放ちました。

「インターネットなるものが最近は盛んであるが、あんなものは便所の落書きみたいなもので、価値があるとは思えない」

当時の花形メディアはテレビであった為、そのキャスターにはプライドがあったのでしょう。そのプライドが、こういう発言を導き出したと思われます。

 

 

それから時は流れ…ネットとテレビの立場は、完全に逆転しました。

情報量・多様性・速報性・双方向性…。様々な面で、テレビよりもネットの方が優れています。

先日は、「テレビの広告費が、ネットの広告費に負けた」というニュースまで報じられました。機能性だけでなく、収入面でもテレビが劣勢です。

www.news-postseven.com(2020/4/20)

 

奇しくも志村さんが旅立つのと時を同じくして、それを裏付けるようなデータが発表された。

電通が発表した2019年の広告収入の内訳で、インターネット広告費(2兆1048億円)がテレビメディア広告費(1兆8612億円)を上回ったのだ。

 

長らく「娯楽の王様」とされたテレビがその座から引きずり下ろされた現実は、テレビ関係者にも衝撃を与えた。

 

「とうとう来たか…という感じです。

広告費の逆転は数年前から囁かれてはいましたが、スポンサー企業がテレビよりネットの方が広告を出す価値があると考えた結果が数字として表れてしまったわけで、非常に危機感があります。

テレビの大きな収入源である広告収入が減れば、業界は先細りするしかありません」

https://www.news-postseven.com/archives/20200420_1556518.html/2より。改行・強調等は筆者によるもの。以下同)

 

ネットを下に見たキャスターも、かつてのラジオ局首脳陣と同じ行動を取っていた模様ですね。

歴史は繰り返す。

 

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上記「ニュースポストセブン」の記事では、テレビが弱体化した理由を、こう分析しています。

「背景にあるのはコンテンツ力の低下です」
こう指摘するのは元日本テレビエグゼクティブプロデューサーの吉川圭三さん。

日テレ時代、吉川さんは敏腕プロデューサーとして『世界まる見え!テレビ特捜部』『恋のから騒ぎ』『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』など名だたる看板番組を手がけてきた。

 

「いまはどこの局にチャンネルを合わせても同じような番組が流れているイメージがある

バラエティーならひな壇があって、出演者がしゃべった言葉がスーパーで出て、VTR中はワイプで抜かれる。

ドラマも恋愛や警察、ドクターものばかりで幅がない。

要はテレビを見てテレビを作るような、番組のマネをする番組ばかりになってしまった。これでは面白いコンテンツは生まれません」

https://www.news-postseven.com/archives/20200420_1556518.html/2

 

「いまはどこの局にチャンネルを合わせても同じような番組が流れているイメージがある」

この一言が重い。

 

制作費の削減や、コンプライアンス法令遵守)の関係など、昔に比べて番組制作に関する制約が多くなったのは事実。

それ故、新しい番組を作ろうと思っても、冒険できない。「もし失敗したらどうするのか?」という風潮ばかりが強くなり、当たり障りのないものばかりになる。

そういう姿勢を続けた結果、テレビはネットに負ける羽目になった。事の顛末は、こんな感じ。

 

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ただ、同じことはネットにも言えます。

「歴史は繰り返す」

 

ラジオからテレビ、テレビからネットという流れと同じで、今後「ネットを超える何か」が出現するでしょう。

その時、ネット業界のお偉いさんが「こんなものに、ネットが負けるワケがない」と笑って済ませるか否か?
そこが勝負の分かれ目です。

 

筆者が考えるに、ネット最大の弱点は「無責任」という点。

誹謗中傷や脅迫紛いの発言、著作権無視の違法コンテンツ配信、悪質転売ヤーの活動放置…等々、ネット上には悪辣行為が溢れています。

警察が取り締まりを続けていますが、全然追い付いていない。

 

 

これでは、ネット全体の信用度が下がります。

そこに次世代のメディアが登場し、そのメディアが「ネット以上の信頼性」を保持していれば…?

あっという間に、ネットは弱体化するでしょう。

 

そうならない為には、早くから準備することが重要です。

サービスを提供している業者が、率先して悪辣行為を止める。これが当たり前になったら、ネットの価値は激しく上がります。

これは、一朝一夕で可能になる話ではありません。時間をかけて・じっくりと進めていく必要があります。

 

ネット上の悪辣行動は、本来「サービスを提供する業者が、率先して撲滅しなければならない」というものです。

しかし、本気で撲滅に動いている業者は…まだまだ少数。「ウチはサービスを提供しているだけで、不適切な利用をしているのはユーザー。業者に責任はない」という態度のところばかり。

この姿勢を続けているところは、そのうち弱体化します。本気で改善を考えているところは、生き残ります。

現状に胡坐をかいていては、弱体化する一方です。

 

 

世界は、常に盛者必衰。奢れる者久しからず。

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

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