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【情報戦の話】「トランプは人種差別者?」という、切り取りニュース

アメリカvs中国。

以前からある対立ですが、ここに来て新たな火種が発生しています。

争いの元は、新型コロナウイルスです。

www.bbc.com(2020/3/19)

ドナルド・トランプ米大統領新型コロナウイルスを「中国製」と呼び、中国が強く反発している。

 

トランプ氏は16日にツイッターで、感染症COVID-19を引き起こす新型ウイルスのことを「中国ウイルス」と表現。18日の記者会見でも改めて同じ呼び方をした。

 

これに対し、中国外務省の耿爽副報道局長は、トランプ氏のツイートは「中国に汚名を着せる」行為に当たると批判。

「間違いを正し、中国に対する根拠のない告発をやめるようアメリカに強く求める」と述べた。

また、「米政府は、中国に汚名を着せる前に自国の面倒をみるべきだ」と警告した。

https://www.bbc.com/japanese/51957422より。改行・強調等は筆者によるもの。以下同)

 

トランプ大統領が、新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と表現。

これに対して、中国は反発。

各種メディアの中から「アジア系住民への差別感情にも繋がる」とする意見も出て、問題視されています。

 

トランプ氏の暴言癖は有名です。

そのイメージも「批判を強める要素」になっている模様です。

 

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しかし、この「中国ウイルス」発言ですが…詳しく時系列を追っていくと、

「トランプ氏の主張は、身勝手な理由で出てきたものではない」

という話が見え隠れします。ただの暴言ではない。

 

そう言える理由は、「先に挑発行為を始めたのは、中国の方であるから」

 

www.yomiuri.co.jp(2020/3/14)

中国外務省の趙立堅副報道局長が12日、自らのツイッターで、

新型コロナウイルスは「米軍が武漢に持ち込んだ可能性がある」

と主張した。

 

中国政府がウイルスの発生源は「中国とは限らない」との立場を鮮明にしている中、趙氏の根拠不明な主張が波紋を呼んでいる

 

13日の定例記者会見には趙氏は姿を見せず、米メディアなどが同僚の耿爽副報道局長に、趙氏の主張の根拠や政府を代表した見解かどうかを問いただした。

耿氏は質問には直接答えず、「武漢ウイルス」と呼ぶ米政府高官らを非難した上で「ウイルスの発生源については、中国は科学的かつ専門的な意見が必要と考える」との立場を繰り返した。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20200313-OYT1T50350/

 

 

問題の人物は、中国外務省の趙立堅(ジャオリージエン)副報道局長。

イチ民間人ではなく、中国共産党政府の上層にいる方です。

 

この人が、何の根拠もなく、「中国でウイルスが猛威を振るっているのは、アメリカが持ち込んだから」という主張を、2020年3月12日に出しました。

それを受けて、トランプ大統領が2020年3月16日に「中国ウイルス」と明言。

先に「根拠ゼロの主張」を始めたのが中国共産党側で、トランプ大統領は反撃しただけ。

こういう構図があります。

 

 

現在、この時系列に触れずに、トランプ大統領を責めるメディアがチラホラ。

その論調、ちょっと危険です。

先に火をつけたのは、中国外務省の趙副報道局長。この方が「アメリカが持ち込んだという根拠」を示さない限り、悪質なデマとしか言えない。

 

中国共産党側は、中国高官の主張がデマかどうかに触れず、「トランプが暴言を吐いた」と主張している。

この流れ、完全な情報戦です。中国共産党政府の、「悪者を作り出して、色々と濡れ衣を着せてやる」という思惑が伝わってくる話です。

 

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この手法は、中国共産党の常套手段。今に始まったことではありません。

同様の主張は、米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)に所属した経歴を持つ、ヨーロッパ系アメリカ人ジャーナリスト「マイケル・ヨン」氏が自著の中で主張しています。

例えば、今月の新刊『情報戦の真実 香港デモの実態と中国共産党の正体』の中にも、こんな主張が。

情報戦の真実 香港デモの実態と中国共産党の正体(提供:Amazon)

しかし「事実」などどうでもよいのです。これは情報戦です。事実は道具にすぎません。自分に都合のよいときは利用し、都合が悪いときは捻じ曲げるか、隠蔽するか、嘘をつけばよいのです

中国は、あらゆる種類の情報の形をした”ウイルス”をばら撒いています。知識が感染防具です。知識が自分の身とコミュニティの両方を守るマスクなのです。知識は、予防接種でもあります。

 

中国共産党は、自分に都合の悪い話を徹底排除します。

天安門事件」は、その最たるもの。中国共産党が自国民を殺した事件ですから、非常に都合が悪い話。

他にも、「チベット問題」「ウイグル問題」「台湾総統選で反中国候補が当選」等の話を始め、中国共産党に対する批判は揉み消し&無かったことにします。

根拠や信憑性は、どうでもよいのです。「中国共産党に都合が良い状況になればいい」という考えがあるだけ。

 

今回の「中国ウイルス」の話も同様ですね。

自分で騒ぎの種を撒いたのに、相手が悪いと論旨のすり替えをやる。

中国共産党が示すべきは「根拠」であり、相手を大声で批判することではない。

 

 

悲しいかな、これが外交の現実であり、情報戦のリアルです。

目の前のニュースだけで判断するのではなく、様々な情報に触れて判断しないと、コロッとやられます。

 

心に隙間があれば、誰でもハメられる話。筆者も同様です。常に用心しておかねばなりません。

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

【参考書籍 書店リンク】

情報戦の真実 香港デモの実態と中国共産党の正体

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