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【やまゆり園事件の話】なぜ「永遠に意思疎通できない」と断言できるのか?

本日の記事は、かなり硬派・社会派なテーマを扱います。

「肺炎騒動で気が滅入っているので、そういうテーマはちょっと…」という方は、メニューから別カテゴリを選んで頂き、別の記事をお楽しみくださいませ。

「マンガ」「食品」あたりに、気軽に読んで頂ける話が多いハズです。

 

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では、本題に。

 

2016年(平成28年)7月26日未明、神奈川県相模原市知的障害者福祉施設津久井やまゆり園」にて、大量殺人事件が発生しました。

犯人は、この施設に勤めていた元職員「植松聖」被告。

刃物で入所者19人を殺害し、職員2人を含む26人に重軽傷を負わせた罪に問われ、現在裁判中です。

www.asahi.com(2020/1/10)

www.asahi.com(2020/2/20)

 

裁判の中で、当時の凄惨な様子が明らかになっています。

植松被告は、夜勤の施設職員を脅して連れ回し、「こいつは喋れるのか?」と問い詰めながら、入所者を次々刺していったそうです。

 

なぜそんな行動をとったのか?

その理由は「喋れない、意思疎通できない障害者は、この世に不要である」という、被告の身勝手な考え。

 

被告は、最後まで「自分がやったことは正義である」との考えを曲げず、地裁での裁判は結審しました。

もうすぐ、地裁判決が出る予定です。

 

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被告の行為に対し、筆者は恐怖と憤りを覚えます。

しかし、被告の様子を見るに、何を言っても聞き入れない狂気を感じます。

 

ただ、もし筆者がこの裁判に意見できる立場だったとすれば、是非以下の質問を被告に投げてみたいと考えます。

植松被告が、この問いに十分な答えを出してくれたなら、筆者は納得するかもしれません。

 

◆植松被告は、「重度の障害があり、意思疎通が取れない人は殺すべき」という考えを持っている様子だが、医学が発達して重度障害が治るとは思わないのか?

◆植松被告は、「障害者を殺して社会貢献した」と言っているが、重度障害を持ちながら偉大な成果を出した人は、現在までに一人もいなかったのか?

もし一人でもいれば、被告が殺した人の中にも、偉大な成果を出す可能性を持つ人がいたのではないか?

そうでないと断言するのならば、否定できる明確な根拠を示せ。根拠が無いのであれば、偉大な成果を潰した可能性が残る。被告の言う”社会貢献”とは真逆であり、矛盾する。

 

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筆者は、この質問に対する答えを持っています。

「重度の障害を持ち、通常の方法では意思疎通が難しい人でも、技術の発達によって意思疎通が可能になる。実例はいくつもある」

「今後、医療技術が発展し、今まで治癒しなかった怪我や障害が治る可能性は高い」

「重度の障害を持ちながらも、人類の発展に寄与する成果を残した人は存在する」

 

つまり、植松被告の主張は全て否定できます。

被告のやったことは、正義でも何でもない、ただの虐殺。

 

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では、筆者の主張の基礎となる、具体的な話を述べていきます。

 

 

一例として、「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」という病気の話をします。かつて「アイス・バケツ・チャレンジ」で広報された病気です。

神経の働きが鈍り、全身の筋肉に命令が届かず、自力で食事をすることすら難しくなり、放置すれば死に至るという難病です。

 

身体が思い通りに動かないということは、呼吸も思い通りにならないということ。

思い通りに息ができないのであれば、言葉を発することは難しい。身振り手振りで意思疎通を図ることは、もっと難しい。

植松被告の基準では、ALS患者は「喋れないし、意思疎通ができない人」になってしまいます。

 

ただ、それは「何もしなければ」の話。

今では様々な技術が発達し、目の動きなど「ほんの僅かな動作」だけで文字入力ができる装置が開発され、その機械を使って意思疎通が可能です。

 

喋れなくても、身振り手振りで意思表示ができなくても、道具を使えば意思疎通は可能です。

植松被告の言い分は、的外れでは?

 

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また、ALSと闘いながら・偉大な功績を残した人はいます。

例えば、「車椅子の天才」と称された物理学者スティーヴン・ホーキング博士」です。

www.bbc.com(2018/3/15)

 

ホーキング博士は、アインシュタイン並みの巨大な功績を残した大人物です。

ALSの為に不自由な身体になっても、精力的に仕事をされた大人物。

著書を多数執筆し、ベストセラーになったこともあり。

 

何もなしでは意思疎通が難しい人でも、ここまでの成果を出す人物はいます。

植松被告がこの話を聞いたならば、どう返事をするのか?

 

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また、意思疎通を助ける技術だけではなく、障害や病気そのものを直す技術も発達し続けています。

代表的なものは、「iPS細胞」ですね。

www.cira.kyoto-u.ac.jp(2020/2/24閲覧)

 

この技術は「他者から臓器を移植する」というものではなく、「必要な組織や臓器を、イチから作り上げる」という凄い技術です。

この細胞の研究開発により、神経系の病気治療への光明も見え始めています。

(参考:ヒトiPS細胞を用いて神経筋疾患の病態生理を模倣する|ニュース|ニュース・イベント|CiRA(サイラ) | 京都大学 iPS細胞研究所

 

 

iPS細胞の研究は、順風満帆とは言えないのかもしれません。技術そのものの課題も多いし、予算の問題などもある。

それでも、確実に前に進んでいます。

昨年末には、失明間際の人に再び光を与える為、iPS細胞から作成した「神経網膜シート」の臨床試験に入ったとのニュースがありました。

この技術が発展していけば、失明して何十年も経過した人でも、視力が戻るかもしれない。不可能が可能になるのです。

www.kobe-np.co.jp(2019/12/9)

 

もし、これらの技術がどんどん発達し、「意思疎通が困難とされた患者が回復する」という世の中になったらどうなるか?

「そんな世の中は、決して来ない」と言えるのか?

 

植松被告の持つ、論理的な意見を聞いてみたい。

 

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ちょっと注意すれば、「殺す前に考えること」は幾らでもある…と分かるハズ。

植松被告の言い分には、穴がありまくりです。

 

今のところ、極刑は免れないと思われますが…。

執行前に、できれば上記の質問をぶつけてみたいものです。

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

【参考書籍 書店リンク】

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