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【逃亡の余波】ゴーン被告逃亡劇で、関係者全員が傷を負う騒ぎに その2

先日、カルロス・ゴーン被告の国外脱出騒動で、各方面に大ダメージ」というテーマで、記事を書かせて頂きました。

tenamaka26.hatenablog.com

 

背任などの疑いで逮捕・起訴され、保釈中だった「カルロス・ゴーン」被告。

彼が、映画さながらの奇抜な手法で日本を脱出し、中東・レバノンに逃亡したというニュースは、年末年始の日本を大きく騒がせています。

いや、日本は勿論、フランス・トルコ・レバノン等、世界各地を巻き込んだ大騒ぎになっています。

 

今のところ、ゴーン被告からは「1月8日に、逃亡先のレバノンで会見する」との情報が出ているだけ。

他には「余裕タップリの食事風景」の画像が出回っている程度で、特にめぼしい話はありません。

www.news24.jp(2020/1/3)

 

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この騒動、かなりの大事件。

「とある被告人が逃げた」という話で終わらず、日本の統治システム全体に関わる問題になっています各関係方面に、騒動の余波が伝わりまくった状況。

ザックリ分けただけでも、以下の5方面にダメージが伝わっています。

 

(1)ゴーン被告・本人

(2)ゴーン被告を担当する、日本の弁護士チーム

(3)裁判所

(4)検察

(5)法務省

 

前回記事では(1)~(2)について述べました。

当記事では(3)~(5)について見ていきます。

 

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(3)「裁判所」へのダメージ

 

今回は、「保釈中のゴーン被告が逃げた」という話。

保釈とは、「被告が逃げたり、証拠隠滅の恐れがないので、拘置所で身柄拘束しなくても大丈夫だ」という前提で申請されるものです。

 

保釈申請は、大抵の場合「被告側の弁護士」が行います。

しかし、申請したから即保釈というワケではありません。保釈してもOKか否か、裁判所の裁判官が判断します。

今回も同様。裁判官がOKを出した為、ゴーン被告は保釈されました。そして、逃げられました。

 

www.sankei.com(2019/12/31)

東京地裁の島田一裁判官は証拠隠滅の恐れを認めながらも「弁護人らの指導監督が徹底している」などとして保釈を許可した。

 

ある検察幹部は「弁護人の責任は十分ある。あの手この手を尽くして細かい条件と引き換えに得た保釈の結果が逃亡だ」と憤る。

別の幹部は「いつか逃げると思っていた。日本の刑事司法の恥を世界にさらした裁判所と弁護人の責任は重い」と痛烈に批判する。

https://www.sankei.com/affairs/news/191231/afr1912310017-n1.htmlより。改行・強調等は筆者)

 

結果論ですが…。

弁護士は「逃げない様に管理する」と言い、それを聞いた裁判官が「心配ではあるが、その条件なら保釈可能だと認める」として保釈したワケです。

しかし、見事に国外脱出してしまったので、もう何を言っても言い訳にしかなりません。悲しいかな、結果が全て。

弁護士の見通しが甘かったことが大きいですが、OKと判断した裁判官への責めも避けられないでしょう。

どういう思考プロセスを経て保釈決定を出したのか、検証が必要です。

 

 

また、これが前例となり、保釈の条件が厳格化されるのは間違いないでしょう。被告側の権利を守ろうとして、見事に裏目に出てしまいました。

逃げたゴーン被告が最も悪いのですが、司法プロセスの番人として十分に機能しなかった裁判所・裁判官にも問題アリ。

ここで責任を有耶無耶にすれば、「日本は逃亡し放題の国」とのレッテルを貼られ、ガチの犯罪者に舐められ、犯罪発生件数の増加すらあり得る。

今、この時に徹底検証し、再発防止策を出さないといけない。

www.bloomberg.co.jp(2020/1/3)

 

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(4)「検察」へのダメージ

 

今回、「ゴーン被告は逃亡や証拠隠滅の恐れが高い。保釈には反対する」と言い続けた検察サイド。

その予想がズバリ当たって、担当弁護士や裁判官は何も言えない状態です。

しかも、ゴーン被告が逃げた先は、犯罪者の引き渡し条約が結ばれていないレバノン。外交案件として解決しなければいけないので、検察を超えた話になってしまいました。

検察が怒るのも、無理はない。

 

ただ、検察にもダメージがあります。

それは、「逃げた理由は、検察の無茶な捜査・取り調べが原因だ」と、ゴーン被告がコメントしているからです。

同様の話を、ゴーン被告の担当弁護士も言っています。

www.asahi.com(2020/1/4)

 

この話は、何も今回に限ったことではありません。かなり前から言われてきたことです。

微罪で逮捕し、とりあえず身柄を拘束して調べる「別件逮捕」。

複数の容疑がある場合、勾留期限ギリギリまで引っ張って釈放した途端、次の容疑を理由に警察の玄関で逮捕する「再逮捕による勾留の延長」。

外部との接触を禁止し、”罪を認めれば保釈もある”と精神的に追い詰める「人質司法」。

検察はもとより、警察でも問題視される行為です。

 

ガチの犯罪者相手だと、こういった厳しい対処をしなければ、話が先に進まないのかも知れません。

しかし、こういった方法が「虚偽の自白」を産み、数々の冤罪を産んだことも事実。

有名なところでは、2003年の「志布志事件」があります。選挙違反の疑いをかけられた人々が、やってもいない買収をやったと自白した事件。

www.nishinippon.co.jp(2019/1/28)

 

また、酷い場合は「検察が証拠を捏造した」という話もあります。

2009年、厚生労働官僚の「村木厚子」氏が逮捕・起訴された事件が有名ですね。

事件を担当した検事が、証拠となる文書ファイルの日付を勝手に書き換え、後で改ざんがバレて逮捕されました。

www.jiji.com(2010/9/21)

 

こういった前科がある為、検察に対する疑惑が根強い。前科を問題視している弁護士や学者が大勢いて、疑惑の目で見られ易いのです。人権重視の立場でモノを言う方には、こういった論拠があります。

 

現在、「日本の検察は酷い組織だ」と、ゴーン被告が世界に向けて発信しています。これは、日本の検察にとってはダメージ。触れられたくない過去を持つというのも弱点。

保釈に反対したとはいえ、検察もノーダメージではない。

 

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(5)「法務省」へのダメージ

 

入国・出国を管理するのは、法務省管轄の「出入国在留管理庁」です。ひと昔前は「入国管理局(入管)」と呼ばれていましたが、訪日外国人の増加に伴い、組織が大きくなりました。

この組織は、法務省の管轄。その為、出入国に関する最終責任は、法務省法務大臣にあります。

その為、今回の問題に関する質問が法務大臣に飛ぶ状況になっています。いずれ、国会でも取り上げられるでしょう。

もっと言えば、法務大臣を指名した内閣総理大臣に対しても、批判が出る可能性があります。総理大臣も「そんなこと、オレは知らん」とは言えない。ひと悶着ありそうですね。

 

 

今回の騒ぎでは、ゴーン被告が出国審査をすり抜け、レバノンに逃げてしまいました。

「ゴーン被告が、楽器を収納する箱に隠れていた」という情報もありますので、審査官が顔を見ていないのかもしれません。しかし、その場合でも「荷物検査をスルーした」という事実が出てきます。マズイことには変わりはない。

www.jiji.com(2020/1/3)

 

現在の法務大臣である森法相は、早速「手続きの厳格化」を指示しましたが、スルーした原因を特定しなければ、同じ事件が多発します。

逃げたゴーン被告を責めるのも大事ですが、身内の失態を究明する方がもっと大事。

 

特に、今年は東京オリンピックが控えており、出入国が一段と増すでしょう。

注目が集まる場所では、テロ発生の恐れが増大します。今回のゴーン逃亡を見たテロリストが、「一旦入国してしまえば、出国は容易だ。テロがやり易い」と考えてしまったら…。

 

そういった不安要素を排除する為に、今・この時の対応が重要。

 

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最後に。

 

前回記事と当記事で述べた様に、ゴーン被告の逃亡は「イチ被告が逃げただけ」という話では終わりません。

世界レベルで、日本の体制に疑問が出る話になっています。

対応を誤れば、世界規模での炎上騒ぎになる恐れアリ。いや、炎上程度で済めば良い方なのかも知れません。

 

とりあえず、現段階では「1月8日、レバノンで予定されている、ゴーン被告の会見」がキーポイントになるでしょう。

予定通りに会見が行われるとして、ゴーン被告が何を語るのか?

 

日大タックル会見、吉本騒動会見、関電裏金会見、かんぽ不正会見…等々。注目された会見は数あれど、それらを上回る注目が集まるでしょう。

何せ、相手は世界。どう転ぶやら。

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

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