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【犯罪捜査の話】「プロファイリング」の古典は、面白い(中編)~恐怖のデータ収集

昨日、『FBI心理分析官~異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記』という本について、紹介記事を書かせて頂きました。

tenamaka26.hatenablog.com

 

『FBI心理分析官~異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記』(以下『FBI心理分析官』と表記)は、いわゆる「犯罪者プロファイリング」について述べられた書籍です。

 

プロファイル担当者は、現場に残された手がかりと、蓄積された犯罪者データを基に、犯人の思考パターンや特徴を推理します。

そうやって浮かび上がってきた犯人像を手掛かりにして、捜査対象の絞り込みを行い、捜査にかかる労力や時間を削減し、早急な犯人逮捕に繋げる。それが「犯罪者プロファイリング」の目的です。

(提供:Amazon)

(著:ロバート・K・レスラー、トム・シャットマン/翻訳:相原真理子早川書房)

 

犯罪者プロファイリングの基になるデータは、「実際に犯罪行為に及んだ、本物の犯罪者」を調査して、そこから得たものになります。

調査資料を漁るだけではなく、刑務所に足を運んで犯罪者に面接を試み、本人から話を聞くことも多い。

そうやって得た情報を並べ、犯罪者が持つ共通点をあぶり出し、データとして蓄積します。

 

新たな犯罪が起きた時、蓄積された犯罪者データと照合し、「過去の事例と同じ点がないか?」を調査。

もし共通点があれば、そこから更に詳しくデータを調査します。

それを繰り返すことで、いわば「犯罪者あるある」をピックアップし、犯人の行動パターンや特徴を推測する。それが犯罪者プロファイリングの基本です。

 

「こんな人間が、この手の犯罪行動に出やすい」という情報があれば、ターゲットを絞って捜査が可能。

捜査の効率が向上すれば、犯罪者プロファイリングの効果があったということになりますね。

 

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で、この「犯罪者にインタビューして、データを取る」という仕事ですが…。

正直、かなり怖い仕事になります。

 

『FBI心理分析官』は、作者である元FBI捜査官「ロバート・K・レスラー」氏が担当した実在案件を基に、ノンフィクションとして執筆された本です。

レスラー氏が最前線で活躍したのは、1970年代以降。その頃は、まだプロファイリングという技術が未成熟で、様々な試行錯誤の中にありました。

そういった時代に活躍したレスラー氏は、「犯罪者プロファイリング開拓者」の一人…と言えます。

 

未成熟で開拓中ということは、当然ながら失敗も多発します。

「失敗を恐れていては、向上もない」というのは事実だとしても、犯罪者プロファイリングで調査する相手は、当然「犯罪者」です。しかも、かなりの凶悪犯であったり、猟奇的殺人犯だったりと、曲者揃い。

一歩間違えば、調査員が新たな犠牲者になる恐れもある。

 

そのリスクを抱えながら、プロファイリング技術の向上・データ収集に挑戦し続けたレスラー氏。

果敢にチャレンジした結果、様々なデータの取得に成功しましたが、背筋が寒くなる思いもありました。

レスラー氏は、その恐怖体験を、『FBI心理分析官』の中で述べていらっしゃいます。

 

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(イメージ画像 http://www.ashinari.com/2011/11/07-352561.php?category=6

 

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レスラー氏が恐怖した相手は、エドモント・ケンパー」という連続殺人犯。

凶悪犯罪や猟奇殺人について調べれば、まず間違いなく名前が出てくるほどの有名人です。

 

ケンパーは、身長206センチ・体重140キロという恵まれた体格の男性で、頭脳も明晰。

が、その凶悪性・猟奇性も特筆すべきものです。

 

彼は、思春期に祖父母を殺害して少年刑務所に入り、四年間服役して出所。

その後は、母親を含む7人を殺害して逮捕され、終身刑になっています。

 

ケンパーは、殺した人数も驚異ですが、犯行内容も驚異。

詳しく書くと卒倒しそうな内容の為、ここには書きませんが…。

ほんの少しだけ書くと、「死体の損壊(いわゆるバラバラ殺人)を好んでいた」旨の記述が多数存在します。

 

 

ケンパーは、先述の通り頭脳明晰。相手の心理を読むことに長けています。

調査に来たレスラー氏の様子をジッと見つめ、巧みに心理を操ろうとさえする。

 

そんなケンパーと、刑務所の接見室にて、二人きりで面接するレスラー氏。

プロファイリングのデータを上手に集める為、アクリル板越しの面接ではなく、普通の部屋で普通に会話することを選んだレスラー氏でしたが…。

調査を終え、看守を呼ぼうとコールボタンを押したところ、反応が無い。

呼べば看守がすぐ飛んでくるハズなのですが、反応が無い。

事前の打ち合わせと違う状況に陥り、レスラー氏は内心焦ります。

 

その焦りを、連続猟奇殺人犯であるケンパーが見逃すハズがなかった。

ケンパーは、平静を装うレスラー氏に向かって、静かに語りかけます。

 

 

「落ち着けよ。今は看守の交代時間のハズだから、やつらもバタバタしてるんだ」

 

「看守が来る前に、あと15~20分くらいはかかるかもなその間に、俺が暴れたら…一体どうなるんだろうな?」

 

「レスラーさん。

今、

ここで、

看守が来るまでの間に、

あんたの首を引きちぎってテーブルに乗せることだって出来るんだぜ…」

 

 

ケンパーのやったことを知ったうえで、この様な状況になれば…。

常人であれば、気を失うかもしれませんね。

犯罪者プロファイリング技術の向上・データ収集の裏には、こういった恐怖の瞬間もあったとのこと。

 

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幾多の試行錯誤を経て、犯罪者プロファイリングは「活用できるレベル」へ進化します。

その進化が、犯人像を絞り込み、捜査の迅速化へと繋がります。『FBI心理分析官』では、それら「迅速化の具体例」についても、詳細に触れています。

 

それら具体例の中身については…長くなるので、次回記事にて。

 

 

-----------------(記事了)-----------------

 

 

(注意:書籍購入・閲覧を考えていらっしゃる方へ)

筆者が所持している『FBI心理分析官』は、ハードカバーの第17版(1994年発行)です。

当時は、今ほど制限がきつくなかったからでしょうか。筆者が持っている書籍には、「遺体の白黒写真」が少々掲載されています。

古い写真で解像度は低め。グロテスクな印象は受けないものですが、苦手な方はご注意ください。

 

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