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【オリンピックの話】選手よりカネです

2020年の東京五輪が、開催前から揉めています。

過去には「競技場デザインのキャンセル」「エンブレムのパクリ」「コストダウンの手法が、冷房設備ナシ?正気か?」等の騒動がありました。

最近では、「水泳の競技会場にて、水質や水温が酷く、トイレみたいな臭いがする」という話もあり。

 

そして、最新の揉め事が「マラソン会場の、急で一方的な変更」です。

 

www.nikkansports.com(2019/11/5)

20年東京五輪でマラソン競歩の札幌で開催されることに関して、日本陸連は5日、都内で会見を開いた。

麻場一徳強化委員長、瀬古利彦ラソン強化戦略プロジェクトリーダー、河野匡長距離・マラソンディレクター、山下佐知子女子マラソン五輪強化コーチ、今村文男競歩五輪強化コーチが出席。ロード種目のトップがずらりとそろった。

 

IOCは選手の健康に留意して「アスリートファースト」として札幌移転を決定。それに対し、反論が相次いだ。

 

山下コーチは91年8月、酷暑の世界選手権東京大会で銀メダルを獲得した。夏のマラソンも走っている。

「競技人生を終えても影響が出るリスクとか、それこそ死人が出るとかになると(札幌で)よかったなということになるだろうが。私が知っている範囲では(そんなケースは)ない。その日の夜は寝られないとか、水風呂に入るとかあったが(影響は)一晩か二晩で終わる。準備するのがアスリートだと思ってやっている。ふに落ちない。アスリートをばかにすんなと思う

と憤った。

 (https://www.nikkansports.com/sports/athletics/news/201911050000681.htmlより。改行・強調等は筆者によるもの)

 

開催まで1年を切った段階で、IOC国際オリンピック委員会)が、マラソン競歩を札幌開催に変更。

選手には、大会に向けた準備が必要です。開催地の条件を把握し、長い時間をかけて自身のコンディションを調整します。開催地が変われば、その調整が無駄になります。選手は怒り心頭。

元々の開催地である東京都も猛反発。都知事をして「合意無き決定」と言わしめる状況になりました。

www.sankei.com(2019/11/1)

 

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IOCが、開催地を変更した理由は、「暑さで選手がやられるから」。

 

確かに、今の日本の夏は暑い。しかし、それは今年・2019年になってから急にそうなったわけではなく、前々から分かっていたことです。

今のタイミングで、IOCが急に変更を言い始めたのは、ドーハで行われた世界陸上の影響が大きい。

www.j-cast.com(2019/9/30)

カタールのドーハで開催されている陸上世界選手権の女子マラソンが世界的に波紋を広げている。

 

女子マラソンは2019年9月27日、気温30度、湿度70%を超える悪条件のなか行われた。

世界陸上史上最も過酷とされたレースは、出走68人のうち28人が途中棄権し、完走率は過去最低の58.8%を記録。

 

レースを実行した国際陸上連盟に対して、出場した選手をはじめ陸上関係者から批判が殺到しており、約1年後に控える2020年東京五輪ラソンに不安の声が上がっている。

https://www.j-cast.com/2019/09/30368895.html?p=all

 

「気温30度・湿度70%超」のカタールで、この騒動です。ここ最近の日本の夏は、カタール以上である可能性が高い。完走率40%以下みたいな結果になってもおかしくない。

 

そんなことは前々から分かっているのに、それでも夏に開催する理由は…ずばり「カネ」です。

 

jp.reuters.com(2018/7/30)

1964年に初めて東京で夏季五輪が開催された時期は、比較的涼しくて湿度も低い10月だった。

4年後のメキシコ五輪も同じく10月に行われた。

 

だが過去30年にわたり、ほとんどの夏季五輪は7、8月に開催されている。テレビ局が大会を取材する上で理想的な時期と考えているからだ。

この時期は五輪以外に世界的なスポーツイベントが少なく、テレビ局はより多くの視聴者を獲得しようと数十億ドルの放映権料を支払う。

 

「IOC(国際オリンピック委員会)は、夏季、冬季五輪の開催時期について、米テレビ局の希望をよく分かっている」と、元CBSスポーツ社長のニール・ピルソン氏は話す。同局は1992年、94年、98年の冬季五輪を米国で放送した。

夏季五輪が10月開催となると、単純にその価値が薄れる。その時期にはすでにさまざまなスポーツ大会の契約が存在するからだ」と同氏はロイターに語った。

 

IOCは、2020年夏季五輪の立候補都市に対し、7月15日から8月31日までの間に開催することを求め、東京は7月24日から8月9日を開催期間とした。

(https://jp.reuters.com/article/summer-olympics-tokyo-idJPKBN1KK09D)

 

かつての五輪は、スポーツに適した気候である「秋開催」だった。

しかし、テレビ局(特にアメリカ)からのスポンサー料金を目当てに、「他スポーツで大きなイベントの無い隙間を狙って、五輪をやってくれ」とリクエストを受けたIOCが、招致条件に”夏季開催”を入れた。

…そこから奇妙なことになり、今日のドタバタに繋がっているのです。

 

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(イメージ画像 https://www.pakutaso.com/201901550071-37.html

 

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選手の健康を考えるなら、春か秋の開催が一番。

しかし、そこを見ないで夏開催にした。

で、案の定ドタバタに。

道理を取らずして、無理を通した結果です。

 

今後、チケットの返金問題・宿泊や交通機関のキャンセル料金・会場設営の無駄金・ボランティアなどの運営費用…等々の問題が湧き出てくるでしょう。

IOCは「東京に追加負担を求めない」と言っていますが、じゃあ全てIOCが持つのか?といえば、そこも明言していない。

今のままでは、ゴリ押しでどこかに費用を押し付けて泣き寝入りさせるか、グダグダで酷い大会になるか。若しくは、その両方が起こるか。

 

 

「いかに素晴らしい大会にするか」という話より先に、「誰が責任を取るのか」というネガティブムードに支配されつつある東京五輪

選手の皆さんが、余りにも気の毒です。早期の問題解決を望みます。

運営が腹を切る覚悟で…ね。

 

--------------(記事了)--------------