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【不正転売の話】証明書の線引きはどこ?

今回は、とあるニュースについて考えます。

そのニュースの趣旨は「チケットの不正転売対策」について。

 

www.asahi.com(2019/8/29)

音楽などチケットの高額転売対策で進む入場時の本人確認強化のため、一部で障害者手帳が証明書として認められず問題となっている

 

文化庁は29日、主催者らに対し、障害者差別解消法の趣旨に基づき、障害者手帳も本人確認の証明書として認めるよう求める通知を出した。

 

通知は28日付。2020年東京五輪パラリンピック大会組織委員会日本芸能実演家団体協議会など、スポーツや文化の15の統括団体宛て。同庁ホームページでも公開した。

 

6月施行のチケット不正転売禁止法は、不正に入手したチケットでは入場できないよう、イベント主催者に入場時に買った本人か確認するなどの努力義務を課す。

人気コンサートなどの主催者側は施行前から身分証明書を示させるなどの対応を進めてきたが、昨年引退した歌手・安室奈美恵さんのコンサートツアーで、障害者手帳での身分証明を拒まれて入場できないケースが表面化した。

https://www.asahi.com/articles/ASM8Y3Q6DM8YUCVL00H.htmlより。改行・強調等は筆者。以下同)

 

2018年に引退した、歌手の「安室奈美恵」氏。

安室氏は引退直前に、最後の全国コンサートツアーを実施されていました。

大人気歌手ということで大きな話題となり、コンサートチケットは入手困難な状況に。

 

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(イメージ画像 https://www.pakutaso.com/20190459113post-20580.html

 

そういうプラチナチケットには、不正転売がつきもの。

コンピュータを使って大量に申し込みを行い、一部の者が買い占めた後、通常価格の数十倍以上という馬鹿みたいな高額で売りつける…という輩が出てくる雰囲気まんまん。

その為、不正転売対策として、会場に入る時に「転売業者経由ではなく、個人でちゃんと申し込んだ、その本人さんですか?」という”本人確認”が行われました。

その際「障害者手帳」を身分証明書として受け付けなかった…という話。これが、上記記事内容の発端となっています。

 

 

この手の話を問題視した政府は、障害者手帳は身分証です。証明に使えます。特段の事情が無い限り、業者は受け付けてください」という通知を出す事になりました。

この通知により、今後は障害者手帳に関するトラブルが減ると思われます。

 

www.bunka.go.jp(2019/8/28)

 

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で、ここからが本題。

 

この話に関して、よく分からない点が。

それは

障害者手帳を、証明書として受け付けない」という判断をした業者側は、どんな理由で拒絶したのか?

という点。

 

少し調べてみましたが、業者側の主張がイマイチ見えてこない。

 

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可能性として考えられるのは、「手帳に貼ってある写真が古すぎた」ということくらいでしょうか。

 

障害者手帳のカテゴリに入るものは、いくつかあります。

手帳の有効期限があり、定期的に更新・写真提出を求められるものもありますが、そういった手続きをしなくてもよいものもあります。

以下の総務省ページに、注意喚起があります。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000213959.pdf

 

仮に、受け付けて貰えなかった手帳が「顔写真が30年くらい前のもの」であったとすれば、イベント業者側が気の毒。

写真が本人かどうかを確認するには、膨大な労力がかかります。これを業者に求めるのは酷というもの。確認作業をしているうちに、コンサートが終わってしまうかも。

 

そもそも、法律が業者に求めるのは「障害者から求めがあったとき、実施に伴う負担が過重でないときには応じる」という努力義務

「要求に絶対応じろ」というものではありません。

その旨は、上記の文化庁通達にも記載されています。

 

その辺りの事情もセットで、今後の対策を考える必要があります。

「証明書として使えるから、受け付けろ」と政府が言っても、現場で機能しないものであったら意味が無い。

先に引用した朝日新聞の記事からは、現場の様子が全く伝わってきません別の所に書いてあるのでしょうか…?

 

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筆者でも「ツイッターの記録を追うこと」くらいは出来ます。

調べたところ、「安室氏コンサートの、受付拒否事件」に関するツイートを発見しました。

 

しかし、「拒否された」と主張したアカウントが削除済みであり、その後どうなったか不明。

拒否された理由は「国が発行している証明書ではないから」とのことらしいですが、文字情報以外に痕跡が無く、イベント業者側からの情報や主張も無く、何がどこまで本当だったのか追跡困難です。

 

 

ネットユーザーレベルでは、「現場の裏取り」が難しい。

そういう裏取り取材ができるのは、裏取りのプロである「大手マスコミ」です。

持てる能力を発揮して欲しいものです。

 

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障害者手帳は、申請すればお気軽に貰えるものではありません。

医師の診断書が必要で、その診断書を参考に役所が検討して発行するもの。

医師の診断書が必要ということは、医師からの治療や検査を受けているはず。その際、健康保険証の提示を求められている可能性が高い。

文化庁からの通知も出ていることですし、証明書としての信頼度は高いはずです。

 

しかし、現場では受付拒否される事態が起こっています。

その理由をちゃんと分析し、広く公表しなければ、対策は困難。

対策ができなければ、また同じ事が起きる可能性・大。

 

来年は、東京五輪が開催されます。

安室氏のコンサートと同じ混乱が、五輪でも起きなければいいのですが…。

 

 

-------------(記事了)-------------