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神格化は、色々と楽である(※追記アリ)

「口は災いの元」という諺。

かなり昔から言われているものですが、ネットが発達した昨今では、最も肝に銘じたい諺になっている…と考えます。

「たったひとことを発したか否かで、大騒ぎになるかどうかが変わる」という状況は、今となっては日常茶飯事。いわゆる「炎上」というヤツです。

 

そんな炎上話が、またひとつ。

渦中の方は、有名お笑いタレントダウンタウン松本人志氏。

彼がメインを務める番組「ワイドナショー」で発した言葉が原因で、放送局であるフジテレビをも巻き込んだ騒動になっています。

 

hochi.news(2019/6/8)

 

発言内容は、先日発生した「川崎の殺傷事件」についてのもの。

何も悪い事していないのに、ただバスを待っていただけなのに、理不尽に2名の尊い命が奪われ、多数の怪我人が出ました。

犯人は自殺。後追いで様々な情報は出ているものの、犯人の口から動機が語られる事は永久にありません。真相解明は困難な状況です。

 

2019年6月2日の「ワイドナショー」でも、この事件について取り上げていました。そこで松本氏が、犯人を「不良品」と表現した事で騒ぎに

2日放送のフジテレビ系「ワイドナショー」(日曜・前10時)で、松本は川崎市登戸駅近くで発生した無差別襲撃事件の容疑者(51)に関して、「不良品」という言葉を使用。

「人間が生まれてくるなかで、どうしても不良品って何万個に1個(生まれる)。これはしょうがないと思うんですよね」とし、さらに「もうその人たち(=不良品)同士でやりあってほしいですけどね」

とまで踏み込んだ。

 

この発言には放送直後からネット中心に批判が殺到。

「人間を生まれついての不良品と見なす人間観。そうした見方が歴史上どれだけの不幸を起こしてきたかを少しでも知っていれば、口に出せるものではない」

「確かに犯人がやったことは最悪だが、人間には生まれながらの絶対的な『不良品』なんていない」

という意見から

「松本さんの言葉は、まともではない人は排除すべきという優生思想そのものでは?」

という声まで出た。

https://hochi.news/articles/20190607-OHT1T50294.htmlより。改行等は筆者によるもの)

 

ワイドナショー」の次回放送は、明日(2019年6月9日)です。が、その前にフジテレビの会見が行われ、局としての姿勢が問われました。

上記リンク先の「スポーツ報知」記事は、その会見に関するものです。

 

今迄の放送姿勢から考えて、明日の「ワイドナショー」本体でも、何らかの釈明が行われる可能性が高い。明日以降の動きに注目です。

 

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この手の炎上騒ぎを、かなり下火にする方法があります。

 

 それは「有名人の神格化を止める事」です。

別の言葉で表現すれば、「視聴者側が、盲信しない」「権威主義の否定」ですね。

 

「まっちゃん(松本人志氏)は、頭がいい!」

「まっちゃんの言う事は、いつも鋭い!」

ここで思考回路を止めてしまうと、甚だ危険。

なぜならば、人間には得意分野と不得意分野がありますし、間違いを犯す・誤解を招く事も多々あるからです。今回の炎上騒ぎは、その典型例。

 

松本氏が凄い人物なのは、その通りでしょう。

長年に渡ってテレビ等で活躍し、収入も多い事で有名。主張内容も「ああ、面白い見方をする人だ。そんな考えは自分に無かった」と納得するものが多数。

 

しかし、本人さんは、アチコチで仰っています。

「自分の意見は、イチお笑い芸人としての意見に過ぎない。特別なものではない」

 

その通りです。その為、個別の意見毎に、視聴者が良し悪しを判断する必要性アリ。

 

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(イメージ画像 http://www.ashinari.com/2013/07/03-379565.php

炎上の根底にある要素の一つに、「普段のイメージからは、凄く離れた言動を取った」というものがあります。

「こんなヤツだと知っていたら、応援しなかった!」という気持ち。「裏切られた!」という怒り。そういうものがあるから、どんどん燃えてしまうワケでして。

逆に言えば、「この人は、これくらいの人だ。何でも出来る超人ではない」という認識が浸透していれば、ギャップが少なくて済み、あんまり燃えない。

 

そういう「燃えにくくする作業」のひとつとして、「有名人の神格化を止める」という要素が出て来るのです。

 

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しかし、炎上を恐れて「有名人の神格化」を止めてしまうと、有名人サイドにとって甚だ不都合な面が出てくる…という事もあります。

その不都合な面とは、「イメージ商売が不可能になる」という事。

 

例えば、CMには「イメージキャラクター」がつきもの。

これは、有名人にとって憧れの仕事です。「CMに起用されたら、多額のギャラが貰える」という話は多いので。

CMを流す主体は、広告主である”企業”です。自社商品やサービスを始め、会社名そのものを宣伝する目的もあり。CMは、貴重な広報手段のひとつです。

 

そのCMに出演する有名人。

求められるのは、「賢そう」「誠実そう」等々のイメージ・思い込みです。その思い込みを利用して、「この人が勧める商品は、良いものだ」と消費者に思わせる。それが、イメージキャラクターに求められる役回り。

「宣伝する商品に詳しい」という”リアルスキル”を求められる有名人さんは、少数派です。

 

 先に述べた「有名人の神格化を止める」という事は、このイメージを殺すという事です。

”何か良さそう”といったフンワリしたものは必要ない・欲しいのは客観的なデータだ…という、実利重視の方向へ行く事でもあります。

 

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もし、「フンワリとしたイメージだけ? そんなキャラは不必要」「リアルスキルが無ければ、キャラとして使えない」となれば、以下の様な不都合が生じます。

 

 

■お笑いタレントは、お笑い関連以外のCMが出来ない。自分が出るイベントの宣伝くらい?

■歌手は歌や楽器、スポーツ選手は自分がやってるスポーツの関連商品、アナウンサーは喋り方教室…等、「自分が成功した分野の商品」のCMしか出来ない。

 

■求人サイトのCMは、そのサイトで就職活動をし・就職に成功した有名人にしか出来ない。加えて、しばらくはその就職先で働いてみて、「自分の選択は正しかった」と確信する必要がある。有名人がやるには、かなり無理なプロセス。

■車の宣伝は、無事故・無違反で長年運転している人にしか出来ない。もっと言えば、車の整備に詳しい人じゃないと無理。

■食材や調味料の宣伝は、料理上手な人にしか出来ない。

 

■「おバカ」のイメージで出演しているタレントに、「私にも出来た!」と言われても、説得力が無い。どうやって・どのレベルの事が出来たのかを説明する必要がある。

■会社名の宣伝は、その会社に長年勤めて、勤務成績の良かったタレントにしか出来ない。(そんな人は天然記念物クラスで少数)

■保険や金融商品の宣伝は、FP(ファイナンシャル・プランナー)等の金融系資格・スキルを持ち、長年活動している人にしか出来ない。

■そもそも、商品知識や判断能力が乏しいであろう”子役タレント”は、CMというモノに出る事自体が無理。

 

 

つまり、有名人のイメージを殺す事は、「CMに出たとしても、一般人と同じか・それ以下の訴求力しかない」という状態を作りかねないのです。

 

視聴者が、有名人の神格化を止めて、「イメージなんて、どうでもいい」「大事なのは性能や中身」と考えれば、思い込ませる作業は不必要になります。

企業は、必要ないものに高いカネを払いません。その結果、有名人側の収益力が大幅に減ります。

要はカネの問題。

 

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炎上リスクを無視し、発生時には大火傷を覚悟して、従来通りの「イメージ重視路線&大金獲得」を目指すか?

炎上リスクを嫌い、「視聴者に、思い込み・勘違いを与えるスキル」を弱体化させたとしても、炎上被害を軽減する方向でいくか?

 

昨今の「有名人の炎上騒ぎ」を考えれば、最終的には上記二択に辿り着きます。

どちらを取っても、デメリットがある。

難儀な仕事ですね。イメージ商売って。

 

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(2019年6月9日・午後4時。追記)

本日放送された「ワイドナショー」では、不良品発言について、全く触れなかった模様です。

まあ、番組サイドに「炎上に応答する義務」といったものは無いので…とりあえず無視でOKだという判断ですね。

ツイッターも、さほど荒れていない模様。このまま消失コースでしょうか。

 

不良品云々の話より、ゲスト出演者の「ファーストサマーウイカ」氏が、番組を乗っ取る勢いで喋り倒した感があります。

まだ若いのに、頼もしさすら感じる方。「THE・大阪のオバチャン」の勢いが垣間見える強キャラさんでした。