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「死ぬなら一人で死ね」vs「いきなり”死ぬなら一人で死ね”は、言い過ぎだ」

本日の朝。

神奈川県川崎市多摩区登戸(のぼりと)新町で、痛ましい事件がありました。

スクールバスを待っている児童の列に、刃物を持った男が襲い掛かり、児童1名と成人1名が刺されて死亡。他に怪我人が複数。

犯人の男は、犯行後に逃走。その後、自らの命を絶ちました。

 

mainichi.jp(2019/5/28)

川崎市多摩区の路上で28日、小学校のスクールバスを待っていた児童らが刃物を持った男に襲われ、19人が死傷した事件。

目撃者の証言によると、児童らを襲ったとされる岩崎隆一容疑者は、両手に包丁を持ち、無言で列の後ろから切りかかったという。

 (https://mainichi.jp/articles/20190528/k00/00m/040/219000cより。改行等は筆者によるもの)

 

犯人の身元が判明したのが、つい先程のこと。事件の詳細は、これから明らかになっていくのでしょう。

 

ただ、マスコミの暴走は勘弁して頂きたいところです。

被害者に遭った生徒さんが通う小学校が、同日夕刻に会見を開きました。そこで学校側が、「子ども達は傷付いていますし、関係者も同様です。マスコミの方々による、直接的取材は遠慮して欲しい」とのメッセージを発しました。

全くその通りです。強引な取材は、被害者の傷に塩を塗る様なもの。被害者の事を考えていません。絶対に止めて頂きたい。

今月初旬に発生した「大津の交通事故」でも、マスコミの取材姿勢が大炎上したばかり。ここで変な対応をすれば、大炎上どころの騒ぎで済まないでしょう。取材する側が、良心的で賢明である事を祈ります。

 

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この事件に関し、様々なメディアや個人が、色々な媒体を通して意見を発しています。当記事もその中のひとつ。

 

最も多いのは、「言葉が出ない」「ひたすら気の毒」というもの。

そう思って当然でしょう。今回は交通事故ではなく、殺人事件である事が早期に判明しています。故意の無い事故でも「やりきれない想い」が満ちるのに、故意の殺人となればもう…。

 

また、自殺した犯人に向かって「死ぬなら一人で死ね」と発言する人が多数。それとは逆に、「いきなり”死ぬなら一人で死ね”と言うのは言い過ぎ。詳しい事情が判明してからでいいでしょう」との意見もあり、論争になっています

 

違う考えがぶつかり、論争になるという事は、よくある話。言論の自由が保障されている証拠だと言えます。

しかし、こういった痛ましい事件に関して論争を繰り広げるのならば、以下の順番を守る方がよい…と考えます。

 

 

1:犯人の確保と、被害者のケア

2:原因究明

3:再発防止策の展開

 

以下、各項目を詳しく見ていきましょう。

 

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1:犯人の確保と、被害者のケア

犯人が逃げているのであれば、できるだけ早期に捕まえる事が重要。これが最優先です。放置しておくと、被害が拡大しますので。

今回の事件に関して言えば、犯人は自殺しているので、被害拡大の可能性はありません。

 

また、犯人確保と同じレベルで重要なのは「被害者のケア」です。

怪我した人がいれば、治療が最優先。精神的ダメージを負った人がいれば、サポートが必要。こういった行動が、優先されます。

そう考えると、「マスコミの過剰取材」は「被害者のケア」に真っ向から対立しかねないもの。情報発信が重要…とはいえ、一般人よりも注意が必要ですね。医療関係者並みの注意を求められたとしても、不自然ではありません。

 

 

2:原因究明

「犯人確保」「被害者へのケア」の次に重要なのはコレ。「なぜこんな事件が起こったのか」について、調査することです。

調査には長い時間がかかる事もあります。調査の末に判明した動機が「何だ?この意味不明な理由は?」となる場合もあるでしょう。

 

ただ、シッカリと調査しないと、次に控えた「再発防止策」がトンチンカンなものになり易い。

思い込みや間違いを可能な限り排除し、「犯人がどういう環境の下で・どう考えたのか」について、徹底的に調べる事が重要です。

 

 

3:再発防止策の展開

上記1~2を経て、初めてこの段階に至ります。

「やるべき事・してはいけない事」や「出来る事・出来ない事」を判別して、同じ悲劇が起きない様に対策を整える必要があります。

 

しかし、人の能力には限界があり、対策に費やすエネルギーや資源は無尽蔵ではありません。

対策の内容・期待される効果・実施に必要なエネルギー…等々を吟味し、最も効果的な実施方法を考える事が重要です。

 

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上記1→2→3の項目を、順番を意識して最後まで行えば、高い確率で被害回復と再発防止が実現できる…と考えます。

上記の順番をシッカリ守らないと、論争が変な方向に行きます。当然、変な論争から生まれる結論も、変なものになります。注意しなければなりません。

 

今回の事件では、現段階で「死ぬなら一人で死ね」「いきなり”死ぬなら一人で死ね”と言うのは言い過ぎ」との主張で対立が起こっている模様。

これは、当記事冒頭でも述べました。

 

双方の主張を見ていくと、会話が食い違っている印象を受けます。

その原因は、「先に述べた1~3の項目のうち、違う位置に立脚した意見を言い合っているから」だと考えます。

 

「死ぬなら一人で死ね」は、上記1「被害者のケア」を考えた意見でしょう。犯人を庇うよりも、被害者のケアが大事という見地からの意見。

「いきなり”死ぬなら一人で死ね”と言うのは言い過ぎ」は、上記2~3「原因究明」「再発防止策の展開」を考えた意見でしょう。似た様な事件を減らし、被害者を最小限に抑える為の方策です。

 

どちらも大事ですが、双方共に「1→2→3の項目を、順番通り、全て行っていない」という点が問題で、論争になっていると思われます。

だから食い違っている。

 

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論争で、「自分の意見を通す事」だけを目的とするのは、不健康です。

論争を上手に行う為には、「違う意見をぶつけ合い、より良い結論を得る」という目標を意識し、そこに向かう事が必要。

 

今回の話で目指すべきは、「被害者と関係者の傷を癒す事」と「似た様な事件の発生を減らすこと」です。

相手の意見を聞いて、詳しい分析が無いまま、頭から「けしからん意見だ!」と怒る事は…上手ではありませんね。

「上手ではない論争」から生まれた結論は、お粗末です。それでは勿体無い。

 

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(イメージ画像 http://www.ashinari.com/2009/08/12-026210.php?category=6