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【ネットデマの話】その情報、大丈夫ですか?

2017年6月、神奈川県大井町東名高速道路で、痛ましい事件がありました。

いわゆる東名高速での、あおり運転死亡事件」です。

 

建設作業員の石橋和歩(かずほ)被告が、パーキングエリアでの振る舞いを注意されて激昂。

腹いせに、注意した相手を車で追いかけ、乱暴な運転で進路妨害。相手を高速道路上で無理矢理停車させ車外に引っ張り出した後、走行中のトラックが突っ込んできて発生した大事故。

 

高速道路上で車を停めさせるとは…。そこだけ見ても、強烈な常識外れ。ちょっと信じられません。

事件があったのは高速道路上です。走る車は、一般道よりも速度を出しています。そこで起こった事故。被害は大きい。

 

しかし、皮肉な事に、石橋被告はピンピンしてます。

一方、注意した方は亡くなりました。

気の毒な事に、石橋被告を注意した方は、家族でドライブ中のお父さん。石橋被告と揉め、嫁さんが仲裁しようとした状況で、2人ともはねられて亡くなりました。子供さんの目の前で。

もし神様がいるとすれば、何を考えてこんな不幸を起こしたのか、私には分かりません。

 

この事件について、昨年末、地裁での判決が出ました。

懲役18年。

現在、石橋被告の弁護側が控訴しています。今後、高等裁判所で審理が続く予定です。

www.sankei.com(2018/12/21)

 

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この話に絡み、別の裁判が始まろうとしています。

 

石橋被告と全く関係が無いのに、石橋被告と深い関係があるとのデマを流され、被害に遭った方がいらっしゃいます。

北九州市にある建設会社「石橋建設工業」の、石橋秀文社長です。

www.asahi.com(2019/2/28)

神奈川県の東名高速で2017年に起きたあおり運転事故に絡んだデマをネット上に書き込まれたとして、「石橋建設工業」(北九州市)の石橋秀文社長(48)が来週にも、男性ら8人を相手取り、計880万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁直方支部に起こす。代理人弁護士への取材でわかった。

デマにより会社は休業を余儀なくされ、精神的苦痛を受けたなどと訴える。

 

代理人弁護士によると、原告は石橋社長と法人としての同社。被告は、デマをネット上に投稿したとして、福岡県警が名誉毀損(きそん)容疑で書類送検した11人(いずれも不起訴処分)のうち8人。

残りの3人は示談が成立したなどで、提訴を見送ったという。

 (https://www.asahi.com/articles/ASM2X4S37M2XTIPE016.htmlより。改行等は筆者によるもの)

 

石橋社長は、「苗字・地方・職種などに共通する部分が多い」という理由だけで、石橋被告の身内だというデマを流され、大変な思いをされた様子。

 

私も、このデマ情報を見た記憶があります。

しかし、「真偽が分からないし、何とも言えない。拡散しないでおこう」と考え、眺めるだけで放置していました。

 

結果はデマ。冷静に眺めていて良かった…。

もし拡散に加担していれば、私も被告のひとりになっていたかも知れません。

 

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ネットの有益なところは、「埋もれている情報や、マスコミが伝えない情報を、広範囲に拡散&半永久的に保存できる」という点。

 

特に、マスコミの不祥事には効果抜群。

記憶に新しい所だと、2016年に発生した熊本地震の話が思い浮かびます。

ガソリンを求めて並ぶ列に割り込む。倒壊しそうな家の前で張り込みする。ヘトヘトで弱っている被災者の都合を無視して撮影する…等々。問題のある取材姿勢が、多数暴露されました。

 

そこで力を発揮したのは、SNSです。

証拠画像付きの投稿が拡散され、大騒ぎになりました。指摘を受けたテレビ局が謝罪する展開に。

 

www.itmedia.co.jp(2016/4/18)

gendai.ismedia.jp(2016/5/8)

 

マスコミは、情報収集能力や分析能力に長けています。

しかし、隠蔽能力にも長けています。自社の不祥事を報じる事に関し、消極的な組織が大多数。

そんなマスコミに対して、ネットは強力な武器になり得ます。

SNSの投稿を見た後、「不祥事を起こした組織」とは別の団体が動き出し、裏を取られて大炎上…という姿は、最早お馴染み。

 

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その一方、ネットは「情報の真偽を分析し、デマを排除する」という能力に、大きく欠けています。

新聞・テレビ等の大手マスコミでも、たまにデマを流します。しかし、ネットで流れるデマは、遥かに多い。

 

上記と同じく、2016年に発生した熊本地震でのデマ事例に触れてみましょう。

 

「ライオンが動物園から逃げ出した」という投稿が拡散され、大騒ぎになりました。

覚えている方も、きっと多いだろうと思います。

「夜の街の交差点で、オスライオンが歩く姿の画像」がSNSで拡散し、大騒ぎに。

 

現地の動物園に問い合わせが殺到し、電話口が大混乱。「ライオンが逃げた? そんな事はありません」と担当者が説明に追われ、業務に大きな支障が出ました。

 

結局は、ただのデマ情報。

しかし、地震で大きな被害が発生中の現地では、人々の意識に余裕がありません。頻繁に襲ってくる余震に恐怖しながら、避難生活を送らねばならないのです。

 

その後、デマ投稿者は警察に逮捕されます。

犯人は熊本在住ではなく、画像もネットから拾ったものでした。単なる「騒ぎたいだけの人」というオチ。(なお、ライオン画像は、南アフリカでの映画撮影風景だと、後日に判明。)

www.huffingtonpost.jp(2016/7/20)

 

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ネットでは、皆が発信者。

ジャーナリストであり、評論家であり、記者であり、マスメディア運営者です。

実際に、「視聴者提供の映像」を使うニュース番組は、増加の一途。

今や一般ユーザーが、報道の一角を担っていると言えます。

 

しかし、ネットにおける個人の発信者は、あくまでも個人。

「情報を発する前に、真偽を確かめる」という習慣の有無も、個人によってマチマチでしょう。

また、「情報を流す前に、チェックを入れる部署を通す」なんて事も、個人レベルでは行われないでしょう。(会社組織であるマスコミの方が、その点に関しては上)

 

一般人には、情報を流す前に、第三者的な視点でチェックする機会が少ない。

情報の真偽や、情報がもたらす影響について考える前に、勢いで流しやすい。

それゆえ、デマも混じりやすい。

 

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「事件の当事者・関係者」だとか、「発生現場の近くに住んでいる」等の事情があって、流れている情報の真偽を確かめる術を持っている方は、まだマシな方です。

そうでない人で、「流れてきたから、私も流す」と安易に拡散するのは、ちょっと待ってください。

 

流す前に、一度は「自分の頭」で、考えてみてください。

自分で書いたものではなく、どこからか流れてきた情報。その情報を拡散した時点で、自分も加担者の一人になってしまいます。

事実であれば許される事であっても、デマが混じっていれば、許されない話に一変します。

確信が持てない情報を、安易に拡散すべきではありません。

 

「ん? 本当か?」と思ったら、ちょっとストップ。

それだけで、状況は大きく変わります。

「この情報、拡散しても大丈夫だろうか」と考え、OKだと思えば拡散すればよいでしょう。

 

ただ、拡散の結果生じる責任には、真摯に対応する覚悟が必要ですが。

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

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