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『封神する演義』と『封神しない演義』 その2

前回記事の続きです。

 

前回は、藤崎竜バージョンの、漫画・封神演義(以下、『藤崎版』と表記)の話でした。(前回記事→『封神する演義』と『封神しない演義』その1 - makaran宝箱)

 

『藤崎版』は、中国の古典小説『封神演義』を原案(元ネタ)に、独自要素を加えた少年漫画として描かれた作品。

 

メインキャラの「太公望」は、少年漫画の主人公にもかかわらず、「手段を選ばない邪悪さ」が魅力の人物でした。

汚い手を使っても、何故か憎めないキャラ。少年漫画には珍しい。

 

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当記事では、『藤崎版』とはまた違った切り口の作品をご紹介します。

 

『藤崎版』と同じく、中国の古典小説『封神演義』を元ネタにした作品は多数ありますが…。

その中でも、「少女漫画」という形式を取った、珍しい作品があります。

 

作品名は『封神しない演義

 

(サカノ景子 KADOKAWA

 

月刊Asuka」で連載されていた作品。昨年、コミックスが完結しました。全6巻。

この雑誌「月刊Asuka」は、一応は”少女マンガ雑誌”のカテゴリに入ります。

が、掲載作品の多くは、少年誌寄りのものになっています。コテコテの「The・少女マンガ」は…あまり存在しません。

 

とはいえ、恋愛要素や絵柄など、少女マンガ要素を受け継いでいる面もあり。

 

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この『封神しない演義』。冒頭を、チョコッとだけ説明すると…

 

 

・主人公の「大和さき」は、現代日本で生活する、17歳の女子高生。

彼女は、なぜか「人並み外れた怪力」の持ち主。それが原因で男子に縁が無く、初恋すら経験していない。

 

・大和家は母子家庭。その母親が、呆れる程の『封神演義』ヲタク。家は関連書籍やグッズだらけで、家庭内の話題といえば『封神演義』ばっかり。そんな家庭環境の下、『封神演義』の知識に染まっていく主人公・さき。

 

・ある日のこと。さきは家の物置の中で、妙な巻物を見つけた。

「どうせ、お母さんの”封神コレクション”なんでしょ」と思っていると、巻物の封が解かれ、不思議な光が辺りを包み込む。

 

・その直後。さきは自分が水中で溺れそうになっている事に気付く。「さっきまで物置にいたのに…?」と混乱するも、生死の瀬戸際で焦るさき。

その時、さきの目の前に1本の糸が。「溺れる者は藁をも掴む」の言葉通り、さきは糸をギュッと握り締め、そのまま気を失ってしまう。

 

・どれくらい気を失っていたのか。さきが目を覚ますと、見知らぬ美青年が目の前に。

加えて、さきは「学校の制服」を着ていたハズなのに、中国風の服や髪型に整えられた姿になっていた。何がなんだか分からない。

 

・その美青年は、「姜子牙(きょうしが)」と名乗る。

彼の話によれば、「釣りをしていたら、魚じゃなくて女の子が釣れた」「ずぶ濡れで気絶していたから、自分の家に連れてきて、服を着替えさせた」という事らしい。

 

・さきは思わず声に出す。「釣りをしている姜子牙って、”太公望”の事じゃない?」

それに答える姜子牙。「はい。よくご存知で」

 

・全く状況が飲み込めない主人公・さき。夢でもないし、ドッキリでもない。混乱し続けるも、姜子牙(太公望)に事情を説明してみた。

 

・事情を聞いた姜子牙。「う~ん。あなたが異世界から来た事は、何となく分かりました。それで、これからどうしたいのですか?」

さき「元の世界に帰りたい」

姜子牙「分かりました。じゃあ、頑張ってください」

さき「え?????? 助けてくれないの?」

 

実は、この世界の姜子牙(太公望)は、ヤル気ゼロの駄目仙人だったのです。毎日ダラダラして、惰眠を貪る事が最重要事項の、ダメニート仙人。

師匠・元始天尊(げんしてんそん)から与えられた「封神計画(ほうしんけいかく)」を実行する気も全く無し。

さきが知っている『封神演義』の太公望とは、かけ離れた存在。

 

・そんな会話をしていると、当時の王朝「殷(いん)」の兵士が数名、ドアを蹴破って突入してきた。

兵士「殷に災いすると予言された仙人・太公望を捕まえに来た。大人しくお縄につけ!」

 

・突然の兵士乱入に、戸惑う主人公・さきと、ダラける太公望

ここで兵士が言う。「占いで”太公望は災いの元”と出たが、姿形までは知らない。目の前に2人の者(さき&太公望)がいるが、どっちを捕まえればいいのだ?」

 

・迷った兵士達が出した結論。「ここまで極端にダラけている男が、太公望であるハズが無い。そっちの女が太公望だ」

 

・強烈な勘違いで、殷の兵士に捕まったさき。一体どうなってしまうのか…?

 

 

…こんな感じです。

少女マンガのノリが、随所に見られます。

 

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この『封神しない演義』。

世界観や各種設定は、『藤崎版』や『原案小説・封神演義』と同じ部分が多いのですが、話の展開が全く違います。(太公望が、主人公を助ける気ゼロの、ダメニート仙人」という点からして、既に大きく違いますが…。)

 

『藤崎版』では「主人公サイド」として扱われていたキャラが、『封神しない演義』では敵役になったり、またその逆もあったり…等々。

『藤崎版』や『原案小説』をご存知の方でも、楽しめるつくりになっています。

 

題名からして『封神しない演義』。従来のものとは、正反対です。

前記事でも書きましたが、太公望に与えられた使命「封神計画」とは、「悪い仙人を退治して、人間界に安定をもたらす」という計画。

それを「しない」と断言する題名。

予想外の方向に展開していく雰囲気が…。

 

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『封神しない演義は、少女マンガの要素もありますが、少年漫画の雰囲気に近い作品です。

一風変わった形の『封神演義』として、楽しんで読める作品。

 

興味のある方は、是非読んでみてください。

 

 

 

書店リンク > 『封神しない演義』第1巻

 

書店リンク > 『封神演義(藤崎竜)』第1巻 

 

書店リンク > 原案小説『封神演義』上巻